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肩甲骨の向きが肩こりに与える影響
肩こりは単に肩の筋肉が硬くなるだけでなく、肩甲骨の位置や向きの崩れが大きな原因になっています。肩甲骨は胸郭に浮かぶ「肩の土台」であり、正しい向きにあることで肩・首・背中の筋肉が効率よく働きます。
肩甲骨の向きが崩れると、次のような影響が出ます。
- 巻き肩・肩前方化:胸筋が硬く、肩甲骨が前にずれる → 肩こり・首こり・猫背の原因
- 肩甲骨固定型:肩甲骨の可動性が低下 → 肩を上げると肩がすくむ
- 肩甲骨の左右差:肩の高さや背中の左右差が生じ、慢性的な肩こりや腰痛につながる
肩甲骨の向きを意識するだけでも、肩こりの予防や改善に大きな効果があります。
肩甲骨セルフチェックのポイント
肩甲骨の向きを自分で確認する方法はいくつかあります。鏡や壁を使った簡単チェックで、自分の肩甲骨タイプを把握しましょう。
1. 壁チェック
- 壁に背中をつけて立ちます(かかと、臀部、背中、後頭部を壁につけると理想)
- 両腕を自然に下ろす
- 肩甲骨が壁に触れているか、肩先が前に出ていないか確認
チェックポイント
- 壁から肩甲骨が離れる → 巻き肩・肩前方化タイプ
- 肩甲骨が動かない → 固定型タイプ

2. 鏡チェック
- 鏡の前に立つ
- 肩の高さや肩甲骨の位置を観察
- 左右の高さや肩の丸まり具合を確認
チェックポイント
- 肩の高さが左右で違う → 肩甲骨左右差タイプ
- 肩が前に入り丸まっている → 巻き肩タイプ

3. 手を使った可動域チェック
- 両手を真上に上げて頭上で合わせる
- 肩甲骨がスムーズに動くか確認
チェックポイント
- 肩甲骨がスムーズに動かない → 固定型タイプ
- 腕が上がりにくい → 背中や胸の柔軟性低下
肩甲骨タイプ別の原因と解剖学的ポイント
肩甲骨の向きの崩れは、筋肉・関節・姿勢の影響で起こります。タイプ別に解説します。
巻き肩タイプ
- 特徴:肩甲骨が前にずれて胸が丸まりやすい
- 原因:大胸筋の硬さ、菱形筋・僧帽筋中部の弱化
- 影響:肩こり、首こり、猫背

肩甲骨固定型
- 特徴:肩甲骨の動きが制限され、肩を上げると肩がすくむ
- 原因:肩甲骨周囲筋の緊張(僧帽筋上部・肩甲挙筋)、関節の硬さ
- 影響:肩の可動域制限、肩こり悪化

肩甲骨左右差タイプ
- 特徴:肩の高さや肩甲骨の位置が左右で違う
- 原因:姿勢の左右偏り、筋肉バランスの崩れ
- 影響:慢性的な肩こり、背中の痛み、腰痛

ピラティスで肩甲骨を整える理由
ピラティスは肩甲骨周囲の筋肉と背骨・胸郭・呼吸を連動させる運動です。肩甲骨を正しい位置に戻すことで、肩こりや猫背を根本的に改善できます。
- 肩甲骨の可動域改善:巻き肩や固定型に効果的
- 姿勢の安定化:肩甲骨の左右差や猫背型に有効
- 呼吸の質向上:胸郭と肩甲骨の連動で呼吸が深くなり、筋緊張を軽減
- コア安定:肩甲骨の動きと骨盤・背骨の連動で無駄な肩の力を減らす

肩甲骨タイプ別セルフエクササイズ
巻き肩タイプ
- 胸を開くストレッチ:壁に手をつき、胸を前に押し出す
- 肩甲骨引き下げ:四つん這いで肩甲骨を下げながら背中を押す
肩甲骨固定型
- 肩甲骨回し:肩をゆっくり回して肩甲骨を動かす
- ロールダウン:背骨を一つずつ床方向に丸める
肩甲骨左右差タイプ
- 片側肩甲骨押し下げ:弱い側の肩甲骨を意識して下げる
- 背中ストレッチ:胸椎を伸ばし左右差を整える
肩甲骨セルフチェックの習慣化
- 週1回チェック:鏡・壁・手を使って肩甲骨の向きを確認
- 記録する:痛みや可動域の変化をメモ
- 改善を実感:肩甲骨の位置が正しくなると肩こりの軽減や姿勢改善が実感できる
まとめ
肩甲骨の向きを意識することは、肩こり改善・姿勢改善の第一歩です。
- 壁や鏡を使った簡単セルフチェックでタイプを把握
- タイプ別の原因と筋肉・関節の解剖学的背景を理解
- ピラティスで肩甲骨の可動域を整え、姿勢・呼吸・コアを改善
肩甲骨の向きを知ることで、肩こりや猫背を根本から改善し、快適な毎日を手に入れましょう。








