
「整体で“骨盤が後傾していますね”と言われたのに、別の場面では“反り腰ですね”とも言われた…どういうこと?」
このような疑問を抱えて来店される方が、最近とても増えています。
「骨盤後傾」と「反り腰」は、一見すると矛盾した姿勢のように思えますが、実は共存することもあります。そしてその背景には、現代人に多い4つの身体的問題が関係しているのです。
この記事では、理学療法士の視点から、
- 骨盤後傾と反り腰の基本的な理解
- 共存する4つの主な原因(股関節周囲の硬さ・背骨の柔軟性低下・インナーマッスルの低下・ボディイメージの誤り)
- ピラティスを活用した正しい対処法
をわかりやすく解説していきます。
そもそも「骨盤後傾」や「反り腰」ってなに?
骨盤後傾とは?
骨盤が本来のニュートラルな位置よりも後ろに傾いている状態です。このとき、腰椎の前弯(腰の反り)が少なくなり、猫背や平背に見えることもあります。
上前腸骨棘(ASIS)と上後腸骨棘(PSIS)を結んだ線を見てみましょう。
反り腰とは?
腰椎の前弯が過剰になり、背骨が必要以上に反ってしまっている状態です。お腹が前に突き出し、お尻が後ろに引けるような姿勢になります。
本来、骨盤が前傾すると反り腰、後傾すると猫背になるといわれますが、現実はもっと複雑です。
一般的な骨盤後傾、骨盤前傾はこのように評価を行います。
しかし、人間の体は単純ではないです。
骨盤後傾により本来の前弯が消失し、腰椎が過伸展して反り腰を代償するパターンもあります。
その結果、腰椎への過負荷が生じて腰痛を引き起こすこともあります。
骨盤後傾“なのに”反り腰?4つの原因を解説!
Nピラティスにお越しいただくお客様のなかにも、骨盤が後傾しているにも関わらず、腰椎が過剰に前弯している=反り腰になっているケースは非常に多く見られます。
その主な原因は、以下の4つに分類できます。
原因①:股関節周囲の筋肉の硬さ
特に多いのが、ハムストリングス(もも裏)や大殿筋(お尻)、内転筋(内もも)などの股関節を安定させる筋肉の柔軟性低下です。
これらの筋肉が硬くなることで、骨盤が後方へ引っ張られて「後傾姿勢」になりやすくなります。特に長時間のデスクワークや猫背姿勢が習慣化している方は、この状態になりやすい傾向があります。
骨盤が後傾しているにもかかわらず、腰の前弯(反り)を保とうとする代償反応により、反り腰のような姿勢になってしまうのです。
原因となる筋群を理解しよう
骨盤を柔軟に動かしていけるように股関節周りの環境を整えるため
起始停止、作用、ストレッチをご紹介します。
今回は大臀筋とハムストリングスについてご紹介します。
起始停止をイメージし理解を深めましょう。
◉ 大臀筋(だいでんきん)
- 起始:腸骨稜・仙骨・尾骨など
- 停止:上部繊維:
大臀筋は股関節の伸展・外旋を担う筋肉で、骨盤を後方へ引く作用があります。
▶︎ 原因となる状態:大臀筋の過活動/短縮
- 大臀筋が硬くなっていると、常に骨盤を後ろに引っ張る力が働き、骨盤が後傾しやすくなります。
- 特に股関節伸展位で固定されるような立ち方・座り方が習慣化していると起こりやすいです。
◉ ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)
- 起始:坐骨結節
- 停止:脛骨・腓骨などの下腿
ハムストリングスは膝を曲げたり、股関節を伸ばしたりする筋肉です。
とくに、坐骨結節に付着しているため、短縮すると骨盤を後方へ引っ張る力がかかります。
▶︎ 原因となる状態:ハムストリングスの短縮/優位活動
- ハムストリングスが硬くなると、骨盤を後ろに引く方向(後傾)に強く働きます。
- 特に長時間の座位や運動不足でハムストリングスが短くなると、骨盤の動きが制限されて後傾姿勢になりがちです。
大臀筋とハムストリングス ストレッチ
大臀筋とハムストリングスは
骨盤を後傾方向へ引っ張ってしまうためストレッチで柔軟性を出していきましょう!
原因②:背骨の柔軟性の低下
本来、背骨は「S字カーブ」を描くことで、衝撃を吸収し、効率的に姿勢を保つ構造になっています。
しかし、胸椎(背中の部分)が硬くなると、上半身の柔軟性が失われて丸まりやすくなります。この結果、腰椎(腰の骨)が代償的に反ることで全体のバランスを取ろうとするため、腰に負担がかかり、反り腰の状態を助長してしまいます。
背骨の可動域が失われると、他の部位にしわ寄せが来る。これが「骨盤後傾×反り腰」の大きな要因です。
背骨を柔軟に保つためのエクササイズ
背骨の1つずつ動かしていくことが大切です。
原因③:インナーマッスル(腸腰筋・腹部深層筋)の弱さ
体幹部を安定させる「インナーマッスル」の低下も、姿勢の崩れに直結します。
特に大切なのが「腸腰筋(ちょうようきん)」という股関節前面に位置する深層筋と、「腹横筋」や「骨盤底筋群」などの腹部のインナーユニットです。
腸腰筋が弱いと骨盤を安定した前傾位に保つ力がなくなり、後傾しやすくなります。
また、腹部のインナーマッスルが弱いと、背骨をしっかり支えることができず、腰椎が過剰に前弯してしまい、反り腰を助長します。
これらの筋肉を鍛えることは、反り腰や骨盤の不安定性の根本解決に不可欠です。
腸腰筋と腹部を意識的に使うエクササイズをご紹介します!
原因④:ボディイメージの誤り(姿勢の感覚がずれている)
最後に意外と多いのが、「正しい姿勢だと思っていたものが、実は反り腰だった」というケースです。
これは「ボディイメージの逸脱」とも呼ばれ、自分の姿勢に対する感覚が実際とずれていることを意味します。
スマホやPCを長時間使う生活、また日頃の姿勢習慣によって、自分ではまっすぐ立っているつもりでも、実際は重心が前に偏っていたり、腰を過剰に反らせていたりすることが多々あります。
Nピラティスでは、姿勢分析を通して“自分では気づかない癖”を可視化し、本来の正しいボディイメージを再構築することを重視しています。
骨盤後傾×反り腰を改善するにはどうしたらいい?
骨盤の後傾と反り腰が同時に起こっている場合、部分的なストレッチや筋トレだけでは効果が出にくいことがあります。
なぜなら、問題は単一の筋肉ではなく「身体全体のバランスの崩れ」だからです。
その解決策として、私たちが強くおすすめしているのが「ピラティス」です。
ピラティスが最も効果的な理由
ピラティスは、ただ筋トレをするのではなく、以下の要素を統合してアプローチします。
- インナーマッスルの強化
- 姿勢感覚(ボディイメージ)の再構築
- 背骨・股関節の柔軟性向上
- 正しい呼吸とコントロール
特にNピラティス柏店では、理学療法士が常駐し、姿勢や動作のクセを医学的に評価したうえで、完全オーダーメイドのプログラムを作成します。
「骨盤の位置を戻すには、この筋肉を緩める」「反り腰を治すには、このインナーマッスルを強化する」というように、根本的に姿勢を改善していきます。
姿勢が変われば、人生が変わる
骨盤後傾と反り腰は、見た目だけでなく、腰痛・肩こり・呼吸の浅さ・疲労感など、さまざまな不調の原因となります。
「私は姿勢が悪いのかな…?」と少しでも感じている方は、それが大きな不調に発展する前に、ぜひ一度Nピラティスにご相談ください。
体験レッスンでは、現在の姿勢を細かくチェックし、あなたに合った改善アプローチを体験していただけます。
まとめ
- 骨盤後傾なのに反り腰になる理由は、現代人に多い4つの原因によるもの
・股関節周囲の硬さ
・背骨の柔軟性の低下
・インナーマッスルの低下
・ボディイメージの逸脱 - 改善にはストレッチや筋トレだけでなく「正しい姿勢の学習」が不可欠
- ピラティスは、姿勢改善に最適なエクササイズ
- Nピラティス柏店では、理学療法士が医学的に指導し、根本から姿勢を変えていくことが可能
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骨盤の歪みや反り腰を本気で改善したい方は、Nピラティス柏店で身体の根本から変えていきましょう。体験レッスンのお申し込みは[こちら]からどうぞ!