「猫背」「肩こり」「反り腰」「呼吸が浅い」「お腹がぽっこりする」
これらの原因、じつは 胸椎(きょうつい) にあることがとても多いのをご存じですか?
胸椎は、背骨の中でも特に姿勢・呼吸・動作に深く関わる重要な部位。
しかし、腰椎や骨盤ほど注目されず、一般の方には意外と知られていません。
今回は、
- 胸椎とは何か?特徴は?
- 胸椎が硬くなると何が起きる?
- 胸椎が原因の不調チェック法
- 胸椎をしなやかにするピラティス的アプローチ
を、理学療法士の視点で解説していきます!
1|胸椎ってどこのこと?まずは基本をわかりやすく解説
背骨(脊柱)は大きく3つに分かれます。
頸椎(首)7個
胸椎(胸)12個 ← 今日の主役!
腰椎(腰)5個
胸椎の特徴は大きく4つ。

① 肋骨と連動している唯一の背骨
胸椎は肋骨とつながって「胸郭(きょうかく)」をつくります。
これが、胸椎の動きが 呼吸の質に直結する理由です。
胸椎が硬いと…
- 息が吸いにくい
- 肋骨が開いたまま戻らない
- 首肩で呼吸してしまう
- くびれが作りにくい
など、呼吸にもウエスト・姿勢にも影響します。
② 本来“しなる”構造なのに、現代人は固まりやすい
胸椎は自然なカーブ(後弯)があり、ここがしなることで全身の衝撃を吸収しています。
しかし現代人は…
- デスクワーク
- スマホ姿勢
- 呼吸が浅い
- トレーニングは腰ばかり動かす
などの影響で、胸椎が固まりがち。
しなるべきところが動かないと、腰や首が代わりに動いてしまい、痛みの原因に。
③ 肩甲骨の動きを決める“土台”
胸椎は肩甲骨の真下にある土台。
胸椎が固いと肩甲骨がスライドできず、結果として…
- 巻き肩
- 肩こり
- 四十肩・五十肩
- 二の腕が太くなる
- 呼吸が浅い
などの理由になります。
どれだけ肩甲骨エクササイズをしても胸椎が動かないと改善しづらいのです。
④ 体幹(コア)の働きにも直結する
胸椎の可動性が低いと、腹圧(腹横筋)や横隔膜の動きが制限されます。
胸椎が固い人ほど…
- お腹がぽっこりする
- 反り腰
- 呼吸が浅い
- ピラティスで“コアが入らない”
という状態になりがち。
胸椎が動く=コアが入る身体に近づきます。
2|胸椎が硬いと何が起きる?よくある不調をまとめます
胸椎が動かないことで起こる症状は本当に多いです。
Nピラティスでも胸椎アプローチはほぼ全員に行います。
① 巻き肩・猫背が改善しない
胸椎が丸まったまま固まると、肩を後ろへ引きたくても動かせません。
「姿勢を良くしたいのに戻る…」は胸椎の問題が9割。
② 首肩こり・肩甲骨周りの張り
胸椎が動かないと、腕を上げる動き、モノを取る動きなどがすべて首へ負担集中。
首の筋肉が過剰に働き始めます。
③ 腰痛・反り腰・スウェイバック
胸椎が丸くロックされると、腰が代わりに反ってバランベルを取ります。
これが反り腰や腰痛を引き起こす典型パターン。
④ 呼吸が浅い・肋骨が開いたまま戻らない
肋骨を動かす横隔膜が働きづらくなり、肋骨が外に広がったまま固まります。
ぽっこりお腹・下腹が出る人も胸椎が関係。
⑤ 肩が上がりにくい・四十肩の原因
肩関節は、「胸椎・肩甲骨・上腕骨」の3つで1セット。
胸椎が動かないと肩周りにストレスが溜まりやすく、痛みの原因にも。

3|胸椎が硬い人のセルフチェック
① ゆっくり大きく息を吸ってみる
胸が広がらず肩だけが上がる → 胸椎硬いサイン。
② 胸の張り感をチェック
胸と腰に手を当て、胸のしなり感がどのくらい会えるかをチェックしてみましょう。
③ 座って背筋を伸ばしたまま体を左右にねじる
30〜40°ねじれない場合 → 胸椎の回旋不足。
④ 猫背が“戻らない”タイプ
姿勢を正す意識をしても戻る → 胸椎の伸展制限。
4|胸椎をしなやかにする!簡単ピラティスエクササイズ
Nピラティスでもよく使う、即効果が出やすい胸椎ワークを紹介します。
① キャット&カウ(胸椎フォーカス)
- 四つ這い
- 胸だけを丸める意識(腰を丸めすぎない)
- 次に胸を軽く反らし、みぞおちを前へ
→ 胸椎だけ動かす練習に最適
② ストレッチポールでの胸椎伸展エクササイズ
- 仰向けで横になりセット
- 肩甲骨下角〜2/3cm上あたりにポールをセットします。
- 深呼吸を行い、リラックスしましょう。
→ 胸椎伸展可動域アップ・呼吸のワーク
③ 背骨ローリング(スローロールダウン)
- 立って深呼吸
- 首→胸→腰の順に丸める
- ゆっくり起き上がる
→ 胸椎の屈曲を出すことで呼吸も改善
④ マーメイド(肋間筋・広背筋ストレッチ)
胸椎を動かすためには、肋骨周りの柔軟性も大事です。
- 座位にてセットします。横へ状態を倒し横のラインのストレッチ。
- 呼吸を同時に行うとよりいいです。
- 回旋(ひねり)を入れるとより背中がストレッチできます。
5|胸椎を整えると何が変わる?(ここが重要!)
胸椎は“動きのハブ”なので、改善すると全身に変化が出ます。
① 肩こり・首こりが激減する
胸椎が動く=肩甲骨が自由に動く
→ 首への負担が大幅に減る
② 呼吸が深くなる&コア(腹横筋)が入る
胸椎がしなる
→ 肋骨が動く
→ 横隔膜が働く
→ 自然と腹圧が入る
③ 姿勢が勝手に良くなる
胸椎が伸びると、胸が開き、骨盤も正しい位置に戻りやすい。
④ くびれができやすい体になる
胸椎が動くと肋骨の開きを抑えやすくなるため、ウエストラインがスッキリ。
⑤ 腰痛・反り腰が改善しやすくなる
胸椎でしなる→腰を反らせてカバーする必要がなくなる。
胸椎は肋骨に覆われている分、動きにくい関節になっています。
頚椎・腰椎に挟まれており、背骨の中心部分を担います。
胸椎がしなやかに動くことで、症状の改善。姿勢を整えていけます。
むしろ、胸椎を動かすだけでもお身体の変化は出やすいです。
ぜひ、エクササイズにもチャレンジしてみてくださいd( ̄  ̄)

6|まとめ|胸椎は“動きの中心”!ここを整えないと姿勢は変わらない
胸椎は、背骨の中でも特に重要なパーツ。
姿勢・呼吸・肩の動き・腰痛・お腹の引き締め、すべてに関わります。
胸椎が硬い現代人はとても多く、
エクササイズをしても変化が出ない人ほど「胸椎の問題」が潜んでいます。
胸椎を整えると…
- 肩こり・首こりが改善
- 猫背・巻き肩が自然と整う
- 呼吸が深くなる
- お腹(腹横筋)が働きやすくなる
- 肋骨の開きが改善
- 反り腰・腰痛が軽減
- くびれが作りやすくなる
ピラティスは胸椎をしなやかに使う動作が多く、「胸椎が動く身体」へ最適なトレーニングです。
「胸椎が硬いかも…」と思った方は、ぜひNピラティスの体験レッスンへ。
プロがあなたの胸椎の動き・姿勢のクセを細かくチェックし、最短で変わる方法をお伝えします。








