出産後、しばらくすると
「あれ?腰が痛い・・・」
そんなお悩みありませんか?出産は体に大きなストレスが加わります。
そのため、出産後の腰痛は適切にケア・管理することが重要です。
今回は出産後に起こる体の変化と腰のストレスをやわらげる方法をお伝えします。
産後に起こる体の変化
産前には子供を産むために、リラキシンという靭帯を緩めるホルモンが分泌されます。
その影響で、骨盤周りは不安定になります。さらに、出産後には授乳、出産による骨盤のストレス、姿勢の変化などから以下のような体の変化が起こりやすくなります。
- 姿勢に対する意識の低下(不良姿勢を取りやすい)
- 弱い引き伸ばされた腹筋になる
- 骨盤底筋群の機能低下
- 猫背になって上半身が硬くなる
- 姿勢が悪くなり呼吸が浅くなる
- 肩から首にかけての緊張してコリやすくなる
- 脊骨の動きが悪くなる
- お尻の筋力が低下する
- 骨盤帯痛の可能性
- 産後うつ
- 扁平足、足底筋膜炎になりやすい
などがあります。
産後の腰痛の4つの原因とは?
産後腰痛の原因は
- 腰を支えるインナーマッスルの低下(帝王切開や腹直筋離開の場合は特に)
- 姿勢の悪化(授乳姿勢の時間増加、猫背姿勢の悪化、姿勢の固定)
- 骨盤が不安定になったまま負担をかける(靭帯を緩めるリラキシンの影響・非対称なストレッチ・運動)
- 過度な安静
などが主な要因になります。
これらを解決することで産後腰痛が楽になります。
1つずつ詳しくみていきましょう。
産後腰痛の原因1「インナーマッスルの低下」
産前産後において、骨盤はリラキシンによって靭帯が緩くなります。
結果的に骨盤は不安定になります。
- 骨盤が緩くなり不安定な状態
- インナーマッスルが低下した状態
この2つの要因によって腰にストレスが加わりやすくなります。
この時点で骨盤を支えるのは深層にある「インナーマッスル」を鍛える必要があります。
腰を支えるインナーマッスルは腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底の4つになります。
4つのインナーマッスルを少しずつ強化していくことがポイントになります。
産後腰痛の原因2「姿勢の悪化」
産後は
- 乳房が大きくなる
- 授乳姿勢が多くなる
- 同じ姿勢をとりすくなる
この3つの条件が重なり「猫背姿勢」になりやすい状態が続きます。
腰痛の原因としてわかっていることは「姿勢の固定」です。長い時間同じような姿勢をとることが腰痛の引き金になります。
まずはかたまっている猫背姿勢を伸ばすことから始めてみましょう。
産後腰痛の原因3「骨盤が不安定になったまま負担をかける」
出産後の骨盤が不安定になったまま負担をかけるとお尻〜骨盤にかけての痛みが生じやすくなります。
また、問題となりやすいのが「非対称的なストレッチや運動」です。
例えば
- 股関節を片方の脚だけ伸ばす
- お尻の筋肉を片方だけ伸ばす
- 立っている時に片方の足に重心をかける
など。
ただでさえ不安定な骨盤に対して非対称なエクササイズを行うと、「骨盤のゆがみ」に繋がってしまいます。
出産後のエクササイズでは両方均等にエクササイズをすることが大切になります。
産後腰痛の原因4「過度な安静」
出産後は体も疲れて、育児の精神的な疲労もあります。
ついつい運動不足になりがちです。
腰痛に対しての過度な安静は痛みを長引かせてしまいます。
適度な運動・ストレッチ・筋トレが腰痛対策に必要です。
出産方法によって運動できる時期が変わる
出産は主に1経膣分娩2裂傷/切開3帝王切開に分かれます。
出産方法によって運動できる時期、気をつけることが変わります。
大まかには
- 経膣分娩:6週以降から運動
- 裂傷/切開:GRADE1は6週、2は6~8週、3は12週程度かかる。(医師に確認する)
- 帝王切開:運動は6〜8週以降。5ヶ月間は過度な腹筋運動は避ける。
になります。
個別の状況は異なるので、必ず医師の確認を得ることが大切です。
産後エクササイズをしてはいけない時は??
産後の体の状況は人によって異なります。
下記のような症状があるときはエクササイズを控えましょう。
- 月経時以外の出血
- 腹痛・乳腺炎や感染症
- 帝王切開の感染
- 腹直筋離開
そのほかにも明らかに体調が悪い時は運動を控えましょう。
産後腰痛を改善するピラティス動画
Nピラティスでは理学療法士と産前産後ピラティスインストラクターが考えた産後腰痛動画を作成しました。
ご自身の体調に合わせてチャレンジしてみてください。
- 必ず医師、助産師から運動の許可が出てから実施してください。
- 痛みのない範囲で行いましょう。
産後腰痛に対してピラティスが効果的な証拠は?
では実際に科学的な目線からピラティスは産前産後の腰痛に効果があるのでしょうか?
今回は2021年の論文を紹介します。(2021.Emel Sonmezer )
- 40人の妊婦さんにピラティスをした群とそうでない群に分けて調査
- 週2回、8週間のピラティスエクササイズを実施
- 結果は、体の柔軟性がUPして、骨盤が安定化し、腰痛が軽減した。(さらに睡眠の質も向上した)
ことがわかっております。
産後腰痛は専門家の元で!
産後腰痛は上記の通り複雑です。
- 医学的な知識
- 産前産後の体の変化
- リスク
これらを知っている方のもとで運動指導を受けることをお勧めします。
Nピラティスは国家資格を持ったスタッフ・産前産後の資格を持ったスタッフのみが産前産後の方を担当します。
お体の悩み、不安がある方は一度Nピラティスへご来店ください。