産前産後に対する整体やヨガ・ピラティスなどが流行っていますね!
産前産後にしっかりとした体のケアをすることでお母さんに対するメンタル・フィジカル面のサポートができるからです。一方で医学的根拠のない情報が広がっているのも事実です。
今回はマタニティピラティスで知っておいてリスクと効果的な運動についてお伝えします。
マタニティピラティスのメリット
マタニティピラティスを産前に行うメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
- インナーマッスルを鍛えて、妊娠中の体のストレスを減らす
- 妊娠中の痛みを減らすことができる(Ika,2017)
- 正しい呼吸パターンを見つけて息苦しさを減らす
- うつ病の軽減(Ana,2011)
- 体にストレスのない姿勢を作ることができる(Ana,2013)
などなど。
何よりも、定期的にマタニティピラティスを行うことで体・精神の悩みを打ち明けることができる時間、余裕が生まれることも大きなメリットでしょう。
マタニティピラティス!妊娠中に運動するときに必ずやるべきこと
これはどの運動に対しても同じです。
例外なく、医師からの運動の許可が必要です。また、定期的な健診時にも医師からの運動許可をもらうようにしましょう。
もし定期的な健診をしていない・もしくは医師の運動の許可をもらっていない場合は運動をすることはお勧めしません。
理由は以下に示しますが、妊娠中には必ずリスクが伴います。
マタニティピラティス!妊娠中に運動してはいけないとき
米国の産婦人科学会(AGOG)が示す妊娠中に運動をしてはいけない時は
- 母体の心臓疾患
- 拘束性肺疾患
- 子宮頸管不全
- 多胎妊娠
- 第2〜3期における持続性出血
- 妊娠26週以降の前置胎盤
- 早産
- 破水
- 妊娠高血圧症
- 3回以上の流産経験
です。このような症状がある時は運動は控えましょう。
また次のような症状がある場合も一度医師のチェックをもらうようにしましょう。
- 重い貧血症
- 持続的な出血
- 母体の心不整脈
- 慢性気管支炎
- コントロール不良の1型糖尿病
- 極度の病的肥満
- 著しい低体重(BMI12以下)
- 管理不良の発作性、甲状腺疾患
などなど。
気になることがあれば必ず医師の診察を受けてから運動を行うようにしましょう。
マタニティピラティスで気をつける仰臥位低血圧症候群!
お母さんが仰向けで寝ることで起こる低血圧です。
仰向けで寝ると子宮の重みが大静脈を圧迫する可能性があり、その影響で心臓に戻る血液が減ることが要因です。この圧迫を繰り返すと胎盤への血流が減る可能性もあり、胎児の発達に影響を及ぼす可能性があるとも言われています。
この低血圧が起こりやすいのは子宮が大きくなる16週以降。16週以降は仰向けになるエクササイズは控えましょう。
症状が起きた場合はすぐに左向きになり静脈の圧迫をとるようにしてください。
マタニティピラティス!流産のリスクは?
流産は80%は12週未満までに発生し、8〜14週がもっとも多い時期になります。これ以降の流産の発生は全体の1%です。
早期流産の2/3は赤ちゃんの染色体異常が影響し、後期流産は子宮・子宮頸部の問題が原因と考えられております。もちろん、それ以外にも多くの影響が関与しますが、ピラティスのようなエクササイズが流産の原因になることがほとんどありません。
つまり
- 8〜14週の間の運動はあまりお勧めできない
- 妊娠が安定する16週まで運動を待った方が良い
ということになります。
もちろん、妊娠前からピラティスを行い、妊娠初期で体調が安定し医師からの運動許可があるのであれば可能です。ただ、必ず産前産後の知識を得たスペシャリストから指導を受けるようにしてください。
マタニティピラティス!産前に筋肉・骨の変化
妊娠中の体は変化は非常に大きいです。
特に妊娠中に影響するのは靭帯を柔らかくする「リラキシン」というホルモンが分泌されます。
このリラキシンは妊娠してから12週間でピークに達し、関節が通常よりもゆるい状態になります。特に靭帯結合が多い骨盤はゆるくなり、出産のための準備を迎えます。
一方で靭帯がゆるくなり、骨盤にストレスが加わりやすいため、産後の腰痛に繋がります。
ゆるくなった靭帯のサポートをするのがインナーマッスルになります。
以上の理由から、産前で骨盤がゆるい時期に過剰なストレッチはNGです。
特に骨盤の靭帯の中でも仙結節靭帯・仙棘靭帯が影響を受けます。この2つの靭帯につながる内ももの股関節の内転筋・太もも裏のハムストリングスは伸ばしすぎないようにしましょう。産前時に大切なのはコルセットのように骨盤を守るインナーマッスルです。
マタニティピラティスで産前に行う3つのこと!
1.負担のかからない姿勢を作ること
妊娠中はホルモンの影響で靭帯が緩みやすくなり、筋肉に頼ることになります。
しかし運動をしていないorもともと姿勢が悪い方は筋肉への負担も大きくなります。正しい姿勢を作り上げることで筋肉や靭帯にかかるストレスを減らすことが必要になります。
2.正しい呼吸方法を身につけておく
妊娠が進むに連れて、体型が変化し、呼吸が浅く、息切れを起こしやすくなります。妊娠初期の段階から、正しい呼吸方法を身につけておくことが大切になります。特に横隔膜を使った呼吸を覚えておきましょう。
3.インナーマッスルを鍛えておく(骨盤底筋群)
骨盤周辺がゆるくなり、さまざまな不調を来すので、骨盤をサポートするインナーマッスルを鍛えておく必要があります。
特に骨盤の底にある骨盤底筋群を鍛えておくことが大事です。1日に3回を目安に、10回程度「ゆるめる・力を入れる」を行いましょう。息を吸うときに骨盤底をゆるめて、息を吐いた時に骨盤底に力を入れるようにしましょう。
骨盤底筋を鍛えるメリットとしては
- コアが安定
- 子宮脱を防ぐための骨盤臓器をサポート
- 排尿・排便の調節を維持
- 分娩中に赤ちゃんの回転を助ける
などがあります。
Nピラティスで変わったマタニティのクライアント様の例
写真の左側がbefore/右側がafterです。
妊娠5ヶ月経過したマタニティのクライアント様です。
猫背で腰が反りすぎている状態から、真っ直ぐな姿勢に変わり、体の捻りやすさ、肩の上がりやすさも改善していますね。
お腹が大きくなるにつれて腰回りの筋肉の緊張が高くなるのが一般的な妊婦さんの筋肉バランです。
このあたりを安全にピラティスで改善していくと体が楽になっていきますね!
そのほかの記事もチェックしてみてください!
マタニティピラティス!産前でやらない方が良い運動!
- 逆転系のポーズ(逆立ち系)
- 長いストレッチ
- 片方だけのストレッチ
- 恥骨部分を圧迫するエクササイズ
- 骨盤を圧迫するエクササイズ
- 骨盤周りを伸ばしすぎるエクササイズ
- 腹筋の使いすぎ・伸ばしすぎ
- ポジション変化が早い運動(低血圧を起こすリスクがあるため)
- 16週以降の仰向けのエクササイズ
これらのエクササイズは気をつけましょう。
Nピラティスのマタニティピラティス!
いかがでしょうか?妊娠中に起こる体の変化と医学的知識が必要になるマタニティピラティスは難しいです。
Nピラティスでは
- 国家資格をもった理学療法士
- マタニティピラティスの資格をもっている
- 海外のマタニティピラティス研修を受けている
以上の3条件を満たしたスタッフのみが担当します。どうぞご安心してください。