「五十肩と言われたけれど、ピラティスに通ってもいいの?」
「肩が痛い…でも動かさないと固まると聞いて不安になってる…」
「五十肩でピラティスを始めたいけど、どのタイミングが良いか分からない」
五十肩でピラティスを行ってよいかは、発症からの月数ではなく今の痛みの状態で決めましょう。とくに、夜間痛が強い時期は、無理せず運動を休むことも重要です。
ただし、痛みを避けるあまりに肩をまったく動かさない状態が続くのも、関節がさらに硬くなる原因です。
そこで本記事では、五十肩でピラティスを始める判断基準から状態に合わせた取り入れ方、レッスンで気をつけたい点までを詳しく解説します。
- ピラティスを行ってよいかを判断する目安
- 五十肩と間違えやすい別の病気
- 運動より受診を優先したい症状
- 状態に合わせたピラティスの取り入れ方3ステップ
- 回復期にピラティスを取り入れる3つのメリット
五十肩は「炎症期→拘縮期(こうしゅくき)→回復期」と経過していくことが多い症状です。
炎症が強く痛みの強い時期に、無理に肩関節を動かすことはおすすめしていません。一方で、肩に負担をかけない範囲で背骨や胸郭、肩甲骨を動かす運動なら行える場合もあります。
「痛いから何もできない」と諦める前に、ぜひ一度Nピラティスにご相談ください!
【結論】五十肩でのピラティスは痛みの状態に合わせよう

五十肩でピラティスを行うかどうかは、痛みの状態に合わせて決めてください。強い痛みがある時期は医療機関を優先し、落ち着いてから始めても問題ありません。
ピラティスは、回復段階に合わせて身体を動かす方法としておすすめです。いつ始めるかは発症からの日数ではなく、以下の4点から決めましょう。
- じっとしていても肩が痛むか
- 夜中に肩の痛みで目が覚めるか
- 動かしたあとに痛みが長く残るか
- 肩の動く範囲が少しずつ戻っているか
じっとしていても痛む、夜中に痛みで目が覚めるという状態が続くうちは、運動より受診と痛みの管理が先です。動かしたあとに痛みが長く残る場合も、まだ負荷が高いサインと考えてください。
反対に、肩の動く範囲が少しずつ戻ってきているなら、運動を取り入れられる段階に近づいています。いずれの場合も、医師や理学療法士へ相談しながら少しずつ進めていきましょう。
レッスンの可否を判断するとき、Nピラティスではまず症状がいつ頃から出始めたのか、転倒や重い物を持ったなどのきっかけがあったのかを詳しくお伺いします。
痛みのきっかけがはっきりしている場合は五十肩ではなく、腱板損傷など他の疾患の可能性も考えられるためです。
炎症期で痛みが強い方には、無理に肩関節を動かすことは行いません。その代わり、背骨や胸郭、肩甲骨など肩に過度な負担をかけない部位の運動や、呼吸を整えるエクササイズを中心に進めていきます。
五十肩とは?ピラティスを始める前に知っておきたいこと

ピラティスを始める前に、まず五十肩について整理しておきましょう。肩の痛みは五十肩以外の病気でも起こるため、思い込みのまま運動を続けると症状を悪化させかねません。
ここで確認したいのは、以下の3点です。
- 五十肩とは肩に痛みと動かしにくさが出る状態
- 五十肩に似た別の病気に注意
- 運動より受診を優先したい症状
なお、肩の重だるさや張りが中心の肩こりは、五十肩とは別の状態です。肩こりのケアについては、以下の記事で解説しています。

1. 五十肩とは肩に痛みと動かしにくさが出る状態
「五十肩(肩関節周囲炎)」とは、肩関節に痛みが出て、動く範囲が狭くなる状態を指します。
日本整形外科学会のページによると、肩関節を構成する骨や軟骨、靭帯、腱などが老化して周囲の組織に炎症が起こることが主な原因です。関節を包む関節包(かんせつほう)や肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)が癒着すると、動きはさらに悪くなります。
- 腕を上げる、後ろへ回すと痛む
- 髪を整える、服を着替える動作がしにくい
- 夜中に肩がズキズキして目が覚める
- 人に動かしてもらっても肩の動く範囲が狭い
中年以降、とくに50歳代で多くみられる状態ですが、年齢と肩の痛みだけで五十肩と決めることはできません。医療機関では、痛みや動きの状態を診察し、必要に応じて画像検査などを行ったうえで診断が出ます。
2. 五十肩に似た別の病気に注意
肩の痛みや腕の上げにくさは、五十肩以外の病気でも起こります。「たぶん五十肩」と自己判断したまま運動を続けないでください。
日本整形外科学会の説明をもとに、紛らわしい3つの病気と五十肩との違いをまとめました。
| 病気 | 五十肩と異なる特徴 |
|---|---|
| 肩腱板断裂 | ・多くの場合、腕を上げること自体はできる ・腕を高く上げるときに力が入らない |
| 石灰沈着性腱板炎 | ・夜間に突然、激烈な痛みで始まることが多い ・痛みで肩を動かせなくなる |
| 首の病気(頸椎症性脊髄症など) | ・手足のしびれを伴う ・ボタンのはめ外しや箸の使用が不器用になる ・歩行で脚がもつれる |
腕や手のしびれ、力の入りにくさを伴う場合は、首から腕へ向かう神経が関係している可能性もあります。ピラティスのスタジオでは病名を診断できないため、まず整形外科で状態を確認しましょう。
3. 運動より受診を優先したい症状
以下の症状がある場合は、ストレッチやピラティスを試さず医療機関へ相談してください。
- 転倒や衝突のあとから、腕を上げられなくなった
- 昨日まで問題がなかったのに、突然激しく痛み出した
- 肩に赤み、腫れ、熱感があり、発熱も伴っている
- 腕や手にしびれがある、明らかに力が入りにくい
- 手先の細かい動作がしにくく、歩きにくさもある
- 安静にしていても強い痛みが続き、時間とともに悪化している
とくに注意したいのは、胸の圧迫感、息苦しさ、冷や汗、吐き気などを伴う肩や腕の痛みです。これらの症状には、心臓などの病気が隠れている可能性もあります。
いずれも、運動で様子を見てよい状態ではありません。判断に迷ったら、自分で決めずに医療機関へ相談してください。
五十肩の状態に合わせたピラティスの取り入れ方3ステップ

五十肩は、症状や続く期間にも個人差があります。発症からの日数だけで判断せず、現在の痛みと日常動作を確認しながら以下の3ステップで進めましょう。
- じっとしていても痛む時期は通院を優先する
- 強い痛みが落ち着いたら小さい動作から始める
- 動きが戻ってきたら肩だけでなく全身を動かす
1. じっとしていても痛む時期は通院を優先する
じっとしているときの痛みや夜間痛がひどく、着替えや寝返りでも鋭く痛む時期は、運動をするタイミングではありません。予約していたレッスンがあっても、痛みを我慢せず整形外科へ相談してください。
ただし、肩をまったく動かさない期間が長くなるのは、避けたいところです。軽い運動をしてもよいかを、医師や理学療法士へ確認しておきましょう。
じっとしているときの痛みや夜間痛が落ち着いてきたら、次の段階に進んでください。
2. 強い痛みが落ち着いたら小さい動作から始める
じっとしているときの痛みが落ち着いてきたら、痛みの出ない小さい範囲から少しずつ動かしていく段階です。
ただし、最初から腕を高く上げる必要はありません。インストラクターと相談しつつ、以下のような小さい運動から始めてください。
- 呼吸に合わせて肩の力を抜く
- 背中や胸まわりを無理なく動かす
- 肩甲骨を小さく動かす
- 反対の手やマシンの補助を使い、痛みの少ない範囲で腕を動かす
ピラティスの終了後に痛みが強くなったときは、動かす範囲や回数、負荷が大きすぎた可能性があります。次回は内容を減らし、痛みについてインストラクターへ伝えましょう。
3. 動きが戻ってきたら肩だけでなく全身を動かす
肩の痛みが減り、腕を動かせる範囲が広がってきたら、肩まわりの筋力と全身の動きを少しずつ戻していきます。
腕を上げる動作では、肩甲骨や鎖骨、背中も連動して動きます。ピラティスで背中や肩甲骨が動きやすくなれば、全身に負担を分散し、効率よく動けるようになるでしょう。
Nピラティスでは「肩を動かすこと」よりも「痛みを出さずに身体を動かすこと」を最優先にしています。そのため、肩からではなく痛みのない部位から運動を始めるのが基本です。
具体的には、下半身の運動や骨盤・背骨の運動を取り入れながら、身体全体の動きを引き出します。肩甲骨も、肩関節に痛みが出ない範囲で無理なく動かせる内容から段階的に開始するのが基本の流れです。
肩以外の部位から動かす理由は、肩に負担をかけずに全身の動きや姿勢を整えるためです。背骨や胸郭、骨盤の動きが改善すれば、肩への負担が軽くなり、その後の肩の運動も取り入れやすくなります。
五十肩でピラティスをするときの3つの注意点

五十肩の方がピラティスを行う際に押さえておきたいのは、以下の3つです。
- 痛みを我慢して肩を大きく動かさない
- 自己判断でピラティスだけを続けない
- 以前と同じ種目や負荷へ急に戻さない
1. 痛みを我慢して肩を大きく動かさない
「痛いほど効いている」と考え、限界を超えて肩を動かすのはやめましょう。強い刺激に耐えても、回復が早まるわけではありません。
むしろ、かえって痛みが長引く場合があります。とくに避けたいのは、次の3つの動きです。
- 勢いをつけて腕を振り回す
- 痛む角度を超えて強く引っ張る
- 腕で無理に体重を支える
無理なく繰り返せる範囲を少しずつ広げるほうが、結果として改善の近道になります。
2. 自己判断でピラティスだけを続けない
ピラティススタジオは、医療機関ではありません。あくまで、医療機関の診断や治療方針を確認したうえで併用する、運動の選択肢の一つと考えてください。
肩が上がらないからといって、五十肩とは限りません。診断を受けないまま運動だけで改善しようとすると、別の症状を見逃す可能性があります。
もし、ピラティスを続けても五十肩の改善が見られない場合は、ためらうことなく整形外科へ相談しましょう。
3. 以前と同じ種目や負荷へ急に戻さない
腕が少し上がるようになっても、以前と同じ運動負荷へ急に戻すのは避けてください。
腕が上がる感覚が戻っても、肩の動きや筋力が完全に回復したとは限らないからです。まずはレッスン前に、現在の状態をインストラクターへ伝えておきましょう。
- 夜間痛の有無
- 痛む動作
- 現在受けている治療
- 医師から受けた指示
しっかりと状態をインストラクターに伝えておけば、現在の状況に適したメニューでレッスンを構成してくれます。
五十肩の回復期にピラティスを取り入れる3つのメリット

痛みが落ち着いた回復期にピラティスを取り入れるメリットは、次の3つです。
- 肩を含む全身の使い方を練習できる
- 痛みと回復状態に合わせて負荷を調整しやすい
- 回復後も身体を動かす習慣を作りやすい
1. 肩を含む全身の使い方を練習できる
ピラティスでは、肩だけに頼らない身体の使い方を練習できます。
腕を上げる動作は、肩甲骨や鎖骨、背中が連動することで行います。肩関節だけが動いているわけではありません。
ピラティスのレッスンでは、呼吸や背骨・腕の動きを組み合わせ、肩だけへ力を集中させない動作を繰り返します。これを継続することで、肩を含む全身の使い方を学習できるのです。
2. 痛みと回復状態に合わせて負荷を調整しやすい
マシンピラティスは、その日の痛みと回復状態に合わせて負荷を細かく調整できます。
五十肩の痛みや動く範囲、回復の速さには個人差があります。マシンピラティスでは以下の要素を自由に変えられるので、一人ひとりに合ったレッスン内容を構築できるのが強みです。
- 姿勢
- 動かす範囲
- 回数
- スプリングの強さ
さらに、ピラティスではインストラクターと一緒に動くことで、肩をすくめる、腰を反らせるといった、自分では気づきにくい悪いクセも確認できます。
小さな動きから始められるため、運動経験が少ない方でも無理なく取り組めるのが魅力です。
3. 回復後も身体を動かす習慣を作りやすい
ピラティスは、五十肩を回復したあとも続けやすい運動です。五十肩が落ち着いたあとは、姿勢づくりや体力維持を目標に切り替えて続けられます。
また、多くのピラティススタジオは予約が必要です。予約をすることでピラティスの時間を軸として1日の予定を決められるので、一人では運動が続きにくい方でも時間を確保しやすくなります。
以下の記事は、Nピラティスへ通って肩の動きが変わった方の記録です。こちらもあわせて読んでみてください。

五十肩とピラティスに関するよくある質問

五十肩とピラティスについて、多く寄せられる質問へお答えします。
- 五十肩はピラティスで治りますか?
ピラティスだけで、五十肩が治るとは断定できません。ただし、回復段階に合わせて身体を動かす手段の一つとして活用できます。
痛みの状態に合わせて動かす範囲や負荷を調整しながら、無理のない範囲で取り入れるのがおすすめです。
- 五十肩で痛みがあるときも動かしたほうがよいですか?
五十肩の痛みの強さによって答えが変わります。夜も眠れない、じっとしていても痛む場合は、運動ではなく安静にすることを優先してください。
痛みが落ち着き、動かしたときだけ痛む状態になれば、整形外科などへ確認したうえで小さい範囲から動かすのがおすすめです。痛みの状態に合わせて、範囲と負荷を調整するとよいでしょう。
- 五十肩はどれくらいで治りますか?
五十肩の改善までかかる期間には、個人差があります。そのため「◯回ピラティスに通えば治る」と一律に断言はできません。
自分の状態に合わせたケアやリハビリができているかが、治るまでの期間に影響します。
- 五十肩は温めるのと冷やすのはどちらがよいですか?
日本整形外科学会は、痛みが強い急性期を過ぎてからホットパックや入浴などの温熱療法を行うとよいとしています。そのため、基本的には温めるのが目安です。
もし温めて症状が悪化するようなら、まだ急性期を脱していない可能性があります。この場合は、安静にすることを優先してください。
まとめ:五十肩のピラティスは痛みが落ち着いてから段階的に始めよう

五十肩でピラティスを始める時期は、発症からの月数ではなく今の痛みで判断しましょう。じっとしていても痛む時期は受診を優先し、痛みが落ち着いてきたら段階的に始めるのがおすすめです。
肩だけを動かそうとせず、背骨や胸郭、肩甲骨を含めて全身を整えると、腕を動かしやすい状態になります。
五十肩は、多くの方が経験する可能性のある疾患です。
一方で、そのまま放置してしまうと痛みが長引いたり、「腕が最後まで上がらない」「動かしづらさが残る」といった状態につながることもあります。
だからこそ大切なのは、今の肩の状態に合った運動を選ぶことです。背骨や胸郭、肩甲骨、体幹が連携して動くことで、肩への負担を減らしながら動けるようになります。
Nピラティスでは理学療法士の視点から現在の状態を丁寧に評価し、お一人おひとりに合わせたエクササイズをご提案しています。
「肩が痛くて何をすればいいかわからない」「このまま動かなくなってしまうのでは」と不安を感じている方も、ぜひ一度Nピラティスにご相談ください!
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