「リハビリを続けているのに、五十肩が悪化している気がする」
「五十肩が治らないのはリハビリのやりすぎが原因?」
五十肩には3つの段階があり、段階ごとに適切なリハビリ方法が異なります。そのため、まずは自分の状態を把握することが大切です。
そこで本記事では、五十肩のリハビリについて徹底解説します。
- 五十肩の病期の特徴
- 自宅でできる病期別のリハビリ方法
- 五十肩のリハビリを行う注意点
五十肩の方は、肩だけで動かそうとすることで痛みが出たり、肩甲骨の動きが低下していたりするケースも多くみられます。無理のない範囲で少しずつ身体を動かし、五十肩の改善を図りましょう。今回は自宅でできるリハビリについても詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
五十肩とは

五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれる肩の疾患です。特に50代に多く見られることから「五十肩」と呼ばれています。
加齢に伴う組織の変性や肩への繰り返しの負担によって、関節包・腱・靭帯などに炎症が生じることで発症すると考えられていますが、明確な原因はわかっていません。糖尿病や甲状腺疾患がある方は、発症リスクが高いことも知られています。
- 安静時痛:何もしていなくても肩が痛む
- 動作時痛:腕を上げる、背中に手を回すと痛む
- 夜間痛:寝返りや就寝中に痛みで目が覚める
- 可動域制限:洗髪や着替え、高い場所の物を取る動作が難しくなる
五十肩を放置すると肩の動きが大きく制限される可能性があるため、早い段階で適切なリハビリや運動療法に取り組むのが望ましいです。
五十肩の3つの病期の特徴を解説

五十肩の病期は次の3つです。
- 急性期
- 慢性期
- 回復期
順番に解説します。
1. 急性期
- 安静時や夜間にも痛みが出る
- 肩がズキズキ、ジンジンと痛む
- 洗髪や着替えがつらい
五十肩の急性期(炎症期)は、強い炎症による痛みが特徴です。何気ない日常動作で強い痛みを感じるケースが少なくありません。
この時期に痛みを我慢して肩を動かしすぎると、炎症が長引き、その後の拘縮(肩の硬さ)を助長する可能性があります。そのため、痛みが強い時は安静を優先し、肩に負担の少ない範囲で軽く動かしましょう。
2. 慢性期
- 強い痛みが軽減する
- 腕が上がらない
- 背中に手が回しにくい
五十肩の慢性期(拘縮期)は、痛みは落ち着く一方で、肩の動きが制限される時期です。
急性期の炎症が治ってくることで、安静時痛や夜間痛は徐々に減少します。しかし、炎症によって硬くなった関節包や周囲組織の影響で、肩を上げたり背中に手を回したりする動作が難しくなります。「痛くて動かせない」というより「肩が固まって動かない」と感じる方が多いです。
この段階では、肩関節の可動域を少しずつ広げるためのストレッチや運動療法が中心となります。ただし、強引に伸ばすと筋肉が緊張し、かえって痛みや拘縮が悪化することがあるため、痛みの出ない範囲で継続的に動かすことが重要です。
3. 回復期
- 夜間痛を感じることがほぼなくなる
- 肩が上がりやすくなる
- 日常生活の不便が減る
五十肩の回復期は、痛みや可動域制限が徐々に改善し、少しずつ肩が動かしやすくなっていくタイミングです。ただし、痛みが減ったからといってリハビリを中断すると、可動域制限や筋力低下が残ることがあるので注意しましょう。
この時期は積極的な運動療法によって、肩の機能回復を図るのが望ましいです。ストレッチだけでなく、肩甲骨や体幹などの肩関節を安定させる筋肉を鍛えることで、再発予防も目指せます。
【病期別】自宅でできる五十肩のリハビリテーションを紹介

先ほど解説したとおり、五十肩は「急性期→慢性期→回復期」と段階的に変化するため、それぞれの時期に合わせたリハビリを行う必要があります。それぞれについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 急性期:痛みの軽減を優先する
- 慢性期:可動域の回復を目指す
- 回復期:積極的に肩を動かす
急性期で痛みが強いときは、安静にして体の回復を優先しましょう。悪化するのが心配な場合は、主治医に相談してから行うと安心です。
急性期:痛みの軽減を優先する
急性期のリハビリで最も大切なのは、無理に肩を動かさず炎症を悪化させないことです。
この時期は炎症が強く、安静にしていても肩がズキズキ痛んだり、夜間痛で眠れなくなったりすることも珍しくありません。無理に運動するよりも、まず痛みをコントロールすることが重要です。
次のようなトレーニングが効果的ですが、痛みが出ない範囲で行ってください。肩を大きく動かせない時期でも、体幹のインナーマッスルを活性化することで、身体機能の低下を防げます。
- 椅子に座る、または仰向けになり、背筋を自然に伸ばす
- 両手を左右の肋骨に軽く添える
- 鼻から息を吸い、肋骨が左右へ広がることを意識する
- 口からゆっくり息を吐き、肋骨が中央へ戻る感覚を意識する
- 首や肩に力を入れず、胸郭の動きを感じながら5〜10回呼吸を繰り返す
- 椅子または床に背筋を伸ばして座る
- 両足を骨盤幅に開き、足裏をしっかり床につける
- 両手を胸の前で軽く組む、または肩に添える
- 息を吸って背筋を伸ばす
- 息を吐きながら、骨盤を正面に向けたまま上半身をゆっくり右へひねる
- 息を吸いながら正面へ戻る
- 左側も同様に行い、左右交互に5〜10回繰り返す
- 仰向けになり、両膝を立てて足裏を床につける
- 両手を頭の後ろまたは太ももの上に添える
- あごを軽く引き、首を長く保つ
- 息を吐きながら、おへそをのぞき込むように頭・肩甲骨をゆっくり持ち上げる
- お腹の力を感じながら1〜2秒キープする
- 息を吸いながら、背骨を一つずつ床へ戻すイメージでゆっくり下ろす
- 8〜10回を目安に繰り返す
夜間痛が強い場合は、寝姿勢を改善する必要があります。肩が圧迫される姿勢や腕を頭の上に上げた状態で寝るのは避けましょう。
- 仰向け:肘から手首の下にクッションを入れ、肩や腕が浮かないようにする
- 横向き:抱き枕やクッションを使用し、痛くない側を下にして寝る
急性期は肩関節周囲に強い炎症が起きているため、痛みが強い場合は薬物療法を併用することも有効です。痛みを我慢してリハビリを行うと悪化することがあるため、症状が軽減してから徐々に運動量を増やしていきましょう。
慢性期:可動域の回復を目指す
慢性期になると炎症は落ち着きますが、可動域制限(腕が上がらない、背中に手が回らないなど)が目立つようになります。この時期のリハビリでは、固まった肩を少しずつ動かし、可動域の改善を目指すのがポイントです。
- 机や椅子に痛くない側の手をつき、軽くお辞儀をする
- 痛い側の腕を力を抜いて自然に垂らす
- 体を小さく前後に揺らし、腕を前後に10回ほど振る
- 同様に左右へ10回ほど振る
- 小さな円を描くように時計回り・反時計回りへ各10回ずつ回す
- 四つん這いになり、肩の真下に手首、股関節の真下に膝を置く
- 息を吸いながら胸を開き、お尻を後ろへ突き出して背中をゆっくり反らせる
- 視線をやや前へ向け、首から背骨まで自然なカーブをつくる
- 息を吐きながら、おへそをのぞき込むように背中を丸める
- 肩甲骨を左右へ広げ、骨盤を前へ倒すように動かす
- 呼吸に合わせて5〜10回繰り返す
- 横座りになり、両膝を同じ方向へ曲げて座る
- 骨盤を立て、背筋をまっすぐ伸ばす
- 外側の手を床につき、反対の腕を頭上へゆっくり持ち上げる
- 息を吐きながら、腕を伸ばした方向とは反対側へ上半身をゆっくり倒す
- 脇腹から腰にかけて伸びる感覚で20〜30秒キープする
- ゆっくり元の姿勢に戻り、反対側も同様に行う
これらのトレーニングによって、胸椎の伸展や回旋を促し、肩を動かしやすい環境を整えることが期待できます。無理に伸ばすと炎症が再発することもあるため、気持ちよく伸びる範囲で行ってください。
お風呂上がりなど、体が温まった状態で行うのがおすすめです。痛くない側の腕で補助しながら肩を動かすことで、無理なく可動域を広げられます。
回復期:積極的に肩を動かす
回復期になると痛みがかなり軽減し、肩の動きも徐々に改善してきます。この段階では可動域改善と合わせて、低下した筋力の回復にも取り組みましょう。
- 四つん這いになり、肩の真下に手首、股関節の真下に膝を置く
- お腹に軽く力を入れ、背中が反ったり丸まったりしない姿勢を保つ
- 息を吐きながら、右腕を前へ、左脚を後ろへゆっくり伸ばす
- 頭からかかとまで一直線になる位置で2〜3秒キープする
- 息を吸いながらゆっくり元の姿勢に戻す
- 左腕と右脚も同様に行い、左右交互に10回程度繰り返す
- 壁から腕1本分ほど離れて立つ
- 両手を肩幅に開き、肩の高さで壁につける
- 頭からかかとまで一直線を保ちながら、息を吸って肘を曲げ、胸を壁へ近づける
- 肘が約90度になったら、息を吐きながら両手で壁を押して元の姿勢に戻る
- 10〜15回を目安に繰り返す
- うつ伏せになり、脚を腰幅程度に開いて伸ばす
- 両肘を曲げて脇につけ、両手を胸の横に置く
- お腹に軽く力を入れ、肩を下げる
- 息を吸いながら頭・胸をゆっくり持ち上げ、背骨を一つずつ反らせるように上体を起こす
- 無理のない高さまで起きたら、息を吐きながらゆっくり元の姿勢へ戻る
- 8〜10回を目安に繰り返す
積極的に肩を動かすことで、体幹の安定性や肩甲骨周囲筋の機能向上を図り、肩への負担軽減や再発予防につなげましょう。また、胸郭・脊柱・肩甲骨・体幹を連動させながら動くことで「肩だけで頑張る動き」の改善にも役立ちます。
回復期は動かすほど改善しやすい時期ですが、一気に負荷を上げると再び痛みが出ることがあるので注意が必要です。翌日に痛みが強く残る場合は、動かす範囲や回数を減らしましょう。
日常生活でも積極的に肩を使うことで、五十肩の改善効果が期待できます。
なお「運動が苦手」「トレーニングが続かない」という方には、五十肩のリハビリの一環としてピラティスに取り組むのがおすすめです。
- インナーマッスルを効率よく鍛え、体幹の安定性を高められる
- 肩甲骨の動きを改善し、腕を上げやすくなる効果が期待できる
- 姿勢改善によって肩への負担軽減につながる
- 痛みへの恐怖心を軽減し、日常生活動作の改善に役立つ
Nピラティスでは、一人ひとりの症状に合わせてオリジナルのピラティスを提供しています。マシンが体の動きをサポートするため、初心者の方でも安心です。
こちらから簡単に予約できるので、ぜひお気軽にご来店ください。
五十肩のリハビリを行う際の3つの注意点

五十肩のリハビリを行う前に、注意すべきポイントが3つあります。
- 痛みを感じたら無理に続けない
- 適切な頻度・時間で取り組む
- 日常動作を見直す
詳しくみていきましょう。
1. 痛みを感じたら無理に続けない
五十肩のリハビリで最も大切なのは、痛みを我慢して続けないことです。無理な運動は肩関節周囲の炎症を悪化させ、かえって回復を遅らせる可能性があります。
特に急性期は炎症が強く残っている時期のため、無理にストレッチや体操を行うと、夜間痛や安静時痛が強くなる場合があります。慢性期や回復期であっても、鋭い痛みやズキッとした痛みが出る場合は注意が必要です。
リハビリ中に次のような症状がある場合は、一度運動を中止して様子をみましょう。
- リハビリ後も数時間以上痛みが続く
- 関節の奥に鋭い痛みを感じる
- 肩に熱感や腫れが出た
- 翌日に可動域が狭くなった
痛みを我慢するのではなく、肩の状態に合わせて運動量を調整することが、五十肩のリハビリにおいて非常に重要です。
2. 適切な頻度・時間で取り組む
五十肩のリハビリは、適切な頻度で継続しましょう。早く治したいからと何十回もストレッチを繰り返したり、長時間運動したりすると、肩関節に負担が蓄積して痛みが強くなることがあります。
病期によって適切な運動量は異なります。以下を参考にしてください。
- 急性期: 1日1~2回程度、痛みを悪化させない範囲で行う
- 慢性期: 1日2~3回、1回5~10分程度を目安に、少しずつ肩の可動域改善を目指す
- 回復期: 1日2~3回、1回10~15分程度を目安に、可動域改善と筋力回復を進める
リハビリは頑張るほど効果が出るわけではありません。しかし、リハビリが不足していると拘縮の改善が進みにくくなります。そのため、適度にリハビリを続けることが、回復を早めるポイントになります。
3. 日常動作を見直す
五十肩の改善にはリハビリだけでなく、日常生活の過ごし方を見直すことも大切です。普段の姿勢や動作が肩への負担となり、痛みや拘縮を長引かせる場合があります。
- 猫背姿勢を避ける
- 重い荷物は両手で持つ
- 痛い側を下にして寝ない
長時間同じ姿勢を続けるのもNGです。痛みがあるからといって肩を全く動かさない状態が続くと、関節包や筋肉が硬くなり、可動域制限が強くなる可能性があります。重い荷物を持ったり高い場所へ何度も手を伸ばしたりするなど、肩を酷使する行為も避けるべきです。
リハビリと生活習慣の改善と組み合わせることで、よりスムーズな回復が期待できるでしょう。
五十肩のリハビリに関するよくある質問

五十肩のリハビリについて、よくある質問をまとめました。
- リハビリは週に何回必要?
五十肩のリハビリ頻度は症状の強さや病期によって異なりますが、一般的には週1〜2回程度の通院リハビリが目安です。
急性期は痛みの軽減が中心となるため、頻繁な運動は必要ありません。一方、痛みが引いてくる慢性期や回復期では、可動域改善や筋力回復のために定期的なリハビリが必要です。
- 五十肩を繰り返す可能性はある?
五十肩は、一度改善すると同じ肩で再発するケースは比較的少ないとされています。反対側の肩に発症することもありますが、治療やリハビリを経験した方は初期症状に気付きやすく、早めに対処できることが多いです。
より再発防止に努めるなら、適度に肩を動かす習慣を続けましょう。
- リハビリ期間が150日を超えるとどうなる?
五十肩は、回復まで1年以上かかるケースも珍しくありません。しかし、医療保険で受けられる運動器リハビリテーションには、原則150日という目安があります。
リハビリ期間が150日を超えた場合の主な選択肢- 自費リハビリを利用する
- 自宅でストレッチや運動療法を続ける
- 要介護認定を受けている場合は介護保険サービスを利用する
五十肩をしっかり改善したい場合は、150日という期間にとらわれず、症状に合わせて適切なリハビリを継続することが大切です。
五十肩のリハビリにはピラティスがおすすめ

五十肩の方は、肩を動かす際に胸椎の動きが低下していることも少なくありません。ピラティスでは背骨を一つひとつ動かしながら呼吸を行うため、胸椎の伸展や回旋が引き出され、肩関節への負担軽減が期待できます。
また、ピラティスによって姿勢が改善することで、肩関節にかかるストレスの軽減が期待できるのもうれしいポイントです。実際に、姿勢改善率95%の実績があるNピラティスでは、姿勢の変化や不調の改善を実感している方が多数いらっしゃいます。
今なら初回限定キャンペーンで、当店のパーソナルレッスンが75%オフでご利用いただけます。1日3組限定の特別価格なので、ぜひお気軽にご来店ください。








